1日目 トリニダー!

キューバ3日目。ようやく両替所も通常営業を始め、自分たちもやっとまとまった現金を手に入れることができた。

そして、本日は移動日。
葉巻工場もラム酒工場も、ヘミングウェイ資料館もチェゲバラ資料館も祝日休業で、結局ハバナでは、やりたかったことの大半が未達成に終わってしまった。しかし出国前に再びハバナで数日滞在する予定だから、焦ることはない。その時にリベンジすればいい。

昨晩、ライトアップされたゲバラとカミーロのモニュメントを見に行った『革命広場』に再び訪れて、写真撮影。前日の日記に書いた通り、共産主義革命の英雄達がまるでキューバの広告塔になってしまっていることには違和感を覚えるけれど、誰もが認めるカッコいいモノをピックアップ、クローズアップするテクニックは見習うべき。奈良で言えば大仏…ではないだろう。アレのTシャツや帽子を作ったところで、余程のお土産オンチしか買わないんじゃないか?貧乏旅行中の若者ですら『これは買いたい!』と思うようなアイコン、デザインを選ぶ必要がある。奈良で言えばなんだろうか…山中教授(IPS細胞の)か?!

で。ハバナを離れてどこへ向かうかと言えば、キューバの古都にして最大の観光地、トリニダー。ハバナから観光バスで約7時間。
革命広場から観光バスのターミナルまでタクシーで行くと、あふれんばかりの人だかりがチケット売り場に出来ている。こ、これはミスったか?バスの出発15分前に到着したのだけれど、もしかしてもう売り切れている?トリニダー行きのチケットをどうやって買えばいいか係員らしきオバさんに聞くけれど、チケットを求める客の数がオバさんとキューバのパソコンの処理能力キャパシティを超えてしまっている。オバさんは完全にテンパっていて、キューバ訛りの早口なスペイン語で何か言われる(しかも怒り口調)けれど、俺には何を言ってるのかよく分からない。
どうしていいか分からずおどおどしてると、すでに時間は出発予定に達している。これはもうダメか…と、諦めかけたその時、『他にトリニダーへ行く奴は誰だ!』と、バスの運転手から声がかかった。ハイハイハイ!と、まるで参観日の子供のように手を挙げる婦人と俺。かなぐり捨てるように料金を支払い、チケットが発行されるのも待たずにバスに飛び乗る。
良かった、これで予定通りトリニダーの街へと行ける…と、安心したのも束の間。
ドライバー案内されて、婦人は他のお一人様旅行客の隣へ。俺は…あれ?もう座席がない。え?ここは…バス最後尾の…座席ではなくて…何ここ?補助席でもないし、かと言ってラゲッジルームでもない。強いて名付けるならばそう、『デッドスペース』。クッション性の欠片もない板の上で膝を折って、リクライニング機能など鼻から念頭にない壁に背をもたせかけて、進行方向に横向きに座る。しかもトイレの横で臭いし、ハエがたかって鬱陶しい。トリニダーはかつて奴隷取引で栄えた街だというから、これは一種の体験ツアーなのか?それにしてはおかしい。んな体制なのは俺以外にはいないのだから。
文句の一つも言いたい気分だったけど、バスドライバーも他の旅行客も、俺のことを気の毒には思ってくれている様子。それに、予定通り移動できるだけでも御の字。途中下車する乗客もいるようだから、7時間これ、というわけでもあるまい。ここはひとつ、日本男児の懐の深さを見せてやるしかないと、むしろこの状況を楽しむつもりに。
いざその気になってしまえば、なかなか悪い席ではない。空間としては座席一つ分以上あって、足を延ばして座ることもできる。他の席より高い位置にあるから、足を投げ出して座ることもできるし、見晴らしも良い。腰にも尻にも優しくない硬い板だけれど、こんな風に体制を変えていればそれほど辛くはない。気がつけば眠ってしまっていた、ということは、そこそこに快適な環境だったと言える。トイレの臭いだけは、さすがに耐え難いものがあったけれど。
結局4時間、『貨物列車に潜り込んで、都会で一旗あげるのを夢見る少年』のような気分を味わい、残りの3時間は空席になった婦人の横で爆睡(やはり圧倒的にデッドスペースより快適だった)する。そしてトリニダー到着。

トリニダーのバスターミナル出入り口には、カーサ(キューバの民宿)の客引きがわんさかたむろしていて、『宿は決まってるのか?うちへ来い!』と観光客に群がってくる。何度も何度も『いや、予約取ってますから』と断ってもしつこく擦り寄ってくるので、最後はさすがに『うるさい!』と怒り口調になってしまった。はっきり言って、この旅で一番ウザい客引きだった。
それにしても、一年で一番観光客が訪れるであろうこの時期にこんな状況で、この人たち大丈夫なんだろうか?と、お節介にも心配してしまう。完全にサービスの供給過剰で、激しい競争社会が生まれている。
しかし、スーパーの品ぞろえは極端に悪いなど、明らかに供給不足の産業もある。どーなってるんだ?あの客引きの連中、野菜でも作って売った方がいいんじゃないの?と、またしても、社会主義の矛盾を垣間見る。彼らを観察すればするほど、市場経済をコントロールする『神の見えざる手』を確信してしまうのは、何とも皮肉なこと。まぁ、いちいちそんなことが気になってしまう自分は、ツーリストとして不幸なのかもしれないけれど。

ターミナルから10分程度歩いたところが、我々が事前予約していたカーサ。我々が悪態をついたあの客引きとは一線を画す上品な夫婦が出迎えてくれる。案内された部屋は、この旅で一番のクオリティ!広々とした清潔な空間は、スイートルームと呼んで差し支えないんじゃないか(もっとも、そんな部屋に泊まったことないので、言い切る自信はないのですが)?婦人も俺も大満足。正直なところイマイチ楽しめてなかったキューバの旅が、一気にプラス評価に反転。自分たちにとって『宿泊』自体は旅の目的ではないけれど、やはり旅を彩る重要な要素だと、改めて感じた。

バス移動の途中のビュッフェレストランで昼食休憩があって、モリモリごはんを食べたから夜になってもお腹は空かなかった。なので、『カンチャンチャラ』と呼ばれるカクテルが、本日の夕食の替わり。
これまで中南米を旅して、地酒というのにはほとんど出会っていない。メキシコのテキーラ(かなりメジャー)とグァテマラのケツァルテコ(かなりマイナー)くらいか。
しかし、こんな風な『地カクテル』にはいくつか出会ってきた。ブラジルのカイピリーニャとか。特にキューバはラム酒の生産が盛んだから、クバリブレ、モヒート、ダイキリ、ピニャコラーダと、カクテルの種類も豊富。
今回飲んだ『カンチャンチャラ』は、ラムとはちょっと違うらしいサトウキビのリキュールを、蜂蜜とレモンジュースで割ったカクテル。素焼きの陶器に注がれるのが独特で楽しい。バンドの生演奏もあって、トリニダーの夜を満喫できた。

革命広場にて。

革命広場にて。

こちらがカンチャンチャラ。キューバは砂糖とハチミツ

こちらがカンチャンチャラ。キューバのカクテルはどれも甘くって飲みやすい。

カサ デ ラ ムシカ、つまり音楽の家では、毎晩野外にてライブがおこなわれます。入場料もとくになく、本場のサルサを聴けるとあって、いつも観光客で一杯。

カサ デ ラ ムシカ、日本語訳 音楽の家 では、毎晩野外にてライブがおこなわれます。入場料もとくになく、本場のサルサを聴けるとあって、いつも観光客で一杯。

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