『いちご煮、ウニ飯、アワビのアヒージョ』

2/28〜世界の板場から vol.16〜
人様のキッチン、人様の包丁、鍋、限られた調味料や食器を駆使して、(出来る限り)美味しい料理を作って食べる、『世界の板場から』。
本日お届けするのは、『いちご煮、ウニ飯、アワビのアヒージョ』。チリはチロエ島の漁師町、カストロで作った料理です。
中でも特にご紹介したいのが、『いちご煮』。いちごジャムではありません。実は自分も食べたことはないのですが、『いちご煮』は、お祝いの席などに供される青森の郷土料理で、簡単に言えばウニとアワビをふんだんに使ったお吸い物のことです。それの何がいちごなのかというと、『まるで春の野のいちごのように晴れやかで爽やかだから』だそうです。そういえば日本はそろそろ春ですね。こちらはこれから秋から冬になっていくのですが。
それにしても、ウニとアワビ!日本ではそんな高級食材は舐めるくらいにしか食べたことがありません。しかしチリでは、ウニもアワビも日本の10分の1程度の値段で手に入ります。新鮮なくせに格安のこいつら、買わない手はありません。どんな風に調理してやろうか、ゲヘヘ…と思案していたところ、ひらめいたのがこの『いちご煮』。
①丸ごとのアワビとチロエ島特産の特大ニンニクを小鍋に並べ、オリーブ油を注ぎ、塩、赤唐辛子を振りかけて、弱火にかけます(約1時間)。
→アヒージョ
②600cc程度のお湯に、ウニを投入。塩、醤油、白ワインで味を調えてから、アワビの切り身も投入します。グツグツと沸騰しないよう注意が必要です。
→いちご煮
③南米ロングライスを炊きます。水は普段より多め(臭み抜き)。アルデンテに炊き上がったらお湯をきり、②のスープ200ccとウニを鍋に注いで炊き上げます。
→ウニ飯
④それぞれに、刻んだシアントロ(パクチー)を振りかけます。
⑤食べます。
⑥食べまくります。
⑦いちご煮のスープが余ったら、ウニ飯に注いで『ウニ茶漬け』にして食べます。
⑧しばし絶句します。
⑨…美味しかったです。
先日プエルトモンのアンヘルモ市場で食べたウニがイマイチだったのと、残念ながら季節が悪かったのかアワビは冷凍だったので、世界一周婦人からは『…ウニもアワビも、こんなに買うの?いちご煮なんて食べたこともない料理、本当に作れるの?美味しくなかったら…』と明に暗にプレッシャーを受けたのですが、どうしても作ってみたかった私は頑として譲らず…結果、婦人も舌を巻くしかない味となりました。
とはいえ、私も正直なところ不安でした。本当に美味しく作れるのか?そもそも正解の味を知らないし。しかし調理過程で味見を重ねるうちに、不安は自信、確信へと変わって行きました。『味も見た目も、これは紛うことなき野いちごだ!』と。
ウニは確かに日本のものより大味だけれども、なんと言っても鮮度が良い。それにチリは海産物輸出国なので、冷凍技術も発展してるのでしょう、アワビもプリプリ、キュッキュッとした食感で全く問題ありませんでした。
なんと言ってもポイントは、スープの味を整える日本酒に白ワインを使ったこと、薬味の大葉の代用としてシアントロ(パクチー)を使ったこと。手に入るもので何とかした、と言えばそれまでですが、地のものには地のものが合う、ということを見事に立証してくれたと思います。
と、ついつい『いちご煮』ばかりクローズアップしてしまいましたが、ウニ飯もアワビのアヒージョも激ウマでした。もう、このまま痛風になっても後悔はありません。
手前みそではありますが、その国の素材を活かしつつ日本人らしい料理に仕立てる、自分の『料理表現力』のレベルアップにも満足しています。チリで『いちご煮』を作ろうという感性もさることながら、包丁もない台所(ビクトリノックスのキャンパーを使ってます)で、火力調整も不自由なコンロを使い、よくぞこれだけやったと、自分で自分を褒めたい気分です。
時として『丁度いいサイズの鍋がない!』とか『あー、もう少し切れる包丁が欲しい!』とか、不便を感じることはあります。しかし、ゲームを楽しむためにはルールが必要不可欠。サッカーで選手全員が手を使ってボールを投げ合いしたら、それはもうサッカーではないのと同じで、料理をする旅人として、そんな不便も楽しむべきものだと思っています。
と、『世界の板場から』にしては長ったらしい投稿になってしまったのですが、それはこれが最終回だから、ではありません。南米での旅の終わりが近づいているから(!)です。旅の区切りに最長不倒の料理ができて満足し、こんな風になってしまいました。あと、新編に向けていくらか形式を変更してみたり。
 
次回の料理投稿はアフリカか、中東か、ヨーロッパか。「皇帝ペンギンのタンシチュー』とか言い出したら、あ、南極なんだ、と思って下さい。それではアディオス、アスタルエゴ(もちろん通常日記は続きますが)!
アヒージョにピッタリの小さくて浅いフライパンを発見。チロエ島名物のガーリックに鮑を贅沢にも丸ごと加えます。

アヒージョにピッタリの小さくて浅いフライパンを発見。チロエ島名物の大きなガーリックに鮑を贅沢にも丸ごと4つ加えます。

出来上がりがこちら。噛めば噛むほど旨味がでてきて、白ワインが進む進む!

出来上がりがこちら。噛めば噛むほど旨味がでてきて、白ワインが進む進む!大きなニンニクは茄子のように油を吸い込み、ふわふわと柔らかな食感に。

こちらが広志郎が腕によりをかけた一作、いちご煮。このお吸い物が、もう、海の旨味たっぷりで美味いのなんのって。

こちらが広志郎が腕によりをかけた一作、いちご煮。このお吸い物が、もう、海の旨味たっぷりで美味いのなんのって。

その

いちご煮のおだしを使って炊き込みました。まずいはずありません。

締めは出し茶漬け。

締めはウニ茶漬け。安くて新鮮な魚介が手に入るチリ。来て本当に良かったです。

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2 thoughts on “『いちご煮、ウニ飯、アワビのアヒージョ』

  1. 南米の旅も終わりに近づいたとか…
    シェフこうちゃんは腕前上げました ネー!あっ!りーちゃんも(笑)
    写真はマルでプロやん!
    食材が新鮮で素晴らしいわぁ。
    お二人のお蔭様で、この頃TVで世界の絶景とかであっ!見たことある!事がよくあります。
    何かここに来てたんだと感動してます。2人はすごい!涙涙…じ〜ん
    身体に気をつけてね。新しい出会い、お料理も次はどんなんかな。。楽しみに待ってますから♡

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    • ありがとうございます、光栄でございますm(_ _)m実際はすでにアフリカです。写真の腕も少しは上がってきたと思いますので、また楽しみにしていてください☆

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