5日目 ギリシャ恋愛事情

ギリシャ人の夜は遅い。もちろん人にはよると思うけれど、そもそも日が暮れるのが20時過ぎだから、『そろそろ夕食かな』と思うのは21時で、『ちょっと一杯やるか』という気分になるのは22時。そうなると『ぼちぼち寝るか』となるのが日付の変わった深夜2時、スケジュールがドミノ式に倒れていてって、翌日の起床、行動開始は9時とか10時になる。

言換えれば、昼は長い。スーパーマーケットは日本と変わらず8時とか9時にオープンするけど、レストランやバーなんかの閉店時間は当然24時以降。だからお昼休みが長く、正午から2〜3時間閉店してる店も少なくない。スペイン文化のシエスタと同じで、南米によく似ている。ディミトリス曰く、これがメディタレニアンライフスタイル、地中海式生活というものらしい。
基本的に早寝早起きだった世界一周婦人と俺も、生まれつきのメディタレニアン宅で居候している以上、同じ生活サイクルとなってくる。昨晩、料理を始めたのが21時過ぎで、就寝したのが2時過ぎだったから、朝早くなんて起きれやしないのだけれど、目覚めた時、すでに太陽が高いというのはなかなか慣れないくて、『ああ、寝過ごした。』という気持ちになってしまう。
本日の予定というのは特になかったのだけれど、昨日の夕食にギリシャ料理をご馳走してもらったので、そのお返しとして、今度は我々が日本の家庭料理をランチに作ることに。
近所のスーパー、肉屋、八百屋を巡り、食材を物色。せっかく披露するのだから、できる限り本物の日本の味に近づけたい。しかし日本の食材や調味料というのは基本的に見当たらないし、あっても高価で手が出ない。そんなところでいつも葛藤するんだけれど、今回は『ブタの生姜焼き』を作ることにした。以前グァテマラで作ろうとしたら、日本の醤油も薄切り豚も肝心要の生姜も手に入らず、よく分からないチキンソテーになってしまった。しかし今回は、チリで買ったキッコーマンの醤油もあるし、生姜もちゃんと売っていた。薄切り肉は手に入らず、トンテキみたいな分厚い肉。ただ、自分は厚切り肉を使って生姜焼きを作ったりもしてたし、その方が食べ応えがあって美味いのも知っていたので、その点は良しとする。
『すりおろした生姜、醤油、砂糖に豚肉を漬け込むんだよ。』
『砂糖を使うの?面白いね、ギリシャじゃ砂糖を料理に使わないよ。で、そのまま食べるの?』
『いやいや、焼くよ!』
そんな訳ないじゃん!と思ってしまうような質問が飛んでくるから、異文化交流は面白い。
生姜焼きと、サラダ、あと日本風に炊いたご飯をパソコンデスクに並べ、いただきます。
『日本でお米を炊くときは、塩も何にも入れないの。プレーンなご飯とオカズを一緒に食べるのが日本のご飯。』
『へー、こっちじゃ少なくとも塩は入れるよ。塩味すらしないプレーンなパスタが食卓に並ぶことなんてないだろ?…うん、でもこの豚肉と一緒に食べたら、なんでお米に味をつけないか、よく分かるよ。』
『でしょ?ちなみに、サラダは特に日本風でも何でもないよ。ただのサラダ。』
『OK!じゃあ、もっとオリーブオイルかけてもいい?』
ディミトリスはすっかりこの生姜焼き定食を気に入ってくれたようで、ちょっと作りすぎたかな?と不安だった量をペロリと3人で平らげてしまった。自分たちも、久しぶりの日本食を楽しめたし、お世話になりっぱなしのディミトリスに少しお返しができたようで嬉しかった。
15時くらいになって、婦人と俺はお出かけ。ディミトリスおすすめの、アクロポリスの脇にある静かな集落、オリンポスを祀る神殿、初のオリンピック会場となったと言われる競技場など巡る。
18時、アフリカ難民の受け入れを訴えるデモがあるらしく、ディミトリス、ボウライコのハイキングでも一緒だった女の子ドラと共に、4人でそれに参加するため、国会議事堂の前で彼らに合流
ギリシャは現在経済危機に陥っており、自分たち自身のことでも必死だというのに、そんな最中にもアフリカ難民のためにデモをするなんて、彼らは本当に立派だな、日本でもそんなことあるんだろうか?と、婦人も俺も感心する。
しかし実はこれ、もう一つの側面がある。現在、ディミトリスはドラに好意を抱いているらしい。言ってみれば、ディミトリスはデモを口実としてドラをデートに誘い出した、という訳。
ただの旅行者である自分たちが、ギリシャの国政に口出しする資格など、何もない。しかし現在国際社会における数々の問題を解決する糸口は、相互理解を深める以外にない。ということで、ギリシャの文化をもっと知るために、おこがましくもデート、もといデモに参加させてもらうことにした。
ただ、残念なことにデモの方は人の結集が少なく、自分たちが到着するより前に自然消滅してしまっていた。ということでそのまま4人、ダブルデート状態に突入。こうなるとなんだか我々ただのお邪魔虫に他ならないんだけど、ベネズエラでもイゾのデートを邪魔したから、もうすっかり慣れたもの。
まずはディミトリスの友達ニッキが働く『レストランミュージアム』へ。ここは、気鋭のアーティスト達が食をテーマにアート作品を展示し、その作品を元にした料理を食べられる、という場所。ブティックレストランとも言えるし、体験型ミュージアムとも言える。画期的で面白かった。
ディミトリスおすすめの飲み屋、ドラおすすめの飲み屋を訪ねるも、どちらも満席。いくらか街を彷徨って、ようやく一つの飲み屋にたどり着く。
そこにたまたま居合わせた、アテネナンバーワン『airbnbホスト』を名乗る男が、アテネナンバーワン『couchsurfinホスト』であるディミトリスに、討論をふっかけてきた。『なんで無料でホストするんだ?電気代も水道代もかかるんだから、わずかな料金を貰えばいいじゃないか!?』と。
その後2人がどんな持論を展開したか、詳しく覚えている訳でもないし、書かない。ただ、どちらも聞いて何の異論も挟めない正論だった。そこで自分なりの結論としては、airbnbはあくまで宿泊のツール。出会いや異文化交流はオプション。しかしcouchsurfinは、異文化交流、世界中に新たな友達を作るためのツール。宿泊はオプション。似ているようで実は全く異なるものなんだと思う。
討論はわずかに白熱、火花を散らしたけれど、互いの大人の対応ですぐさま鎮火。あとは楽しくお酒を飲む。
今回、婦人と俺はウゾ初体験。ウゾとはギリシャの蒸留酒で、度数は40%くらい。真昼間に魚料理と楽しむのが正しいウゾの飲み方らしく、古代の哲学者達は、これを飲んで酔っ払いながら『人とは何か』とか語り合っていたという。
色は、無色透明。しかしどういう化学反応か、水を混ぜると白く濁るのが面白い。アニス(八角)の香りがつけてあるので、俺は結構気に入ったのだけど、苦手な人も多いという。ディミトリスとドラは、ラキという蒸留酒を飲んでいた、こちらはスパイスやハーブの味はせず、かなり焼酎に近い感じ。
飲んで、帰って、シャワー浴びて、寝たのは完全にグリークタイム。ギリシャもアテネも、こんなに遊びまわる予定じゃなかったけれど、完全に嬉しい誤算。
分厚い肉で生姜焼きを作ります。ギリシャの豚肉は塩だけで焼いても美味。生姜焼きにしてまずい訳なし。

分厚い肉で生姜焼きを作ります。半年ぶりの醤油と生姜の混じったこの香り、たまりません。

お肉は食べやすいようにカットして、テーブルは広くないので大皿料理。彼曰く、「この生姜のソースがたまらないね!パンがあったら、このソースにつけて食べたい!」喜んでもらえてよかったです。

お肉は食べやすいようにカットして、テーブルは広くないのでフライパンから取り分けます。彼曰く、「この生姜のソースがたまらないね!パンがあったら、このソースにつけて食べたい!」喜んでもらえてよかったです。

そのあとは仕事があるディミトリウスは家に留まり、二人でお出かけ。

そのあとは仕事があるディミトリウスは家に留まり、二人でお出かけ。オリンピア-ゼウス神殿では、あまりの柱の大きさに驚きました。

倒れた柱。

倒れた柱。

アテネの国会議事堂前にはギリシャの兵士の格好をした衛兵。

アテネの国会議事堂前にはギリシャの兵士の格好をした衛兵。

さてここからはダブルデート。アテネ中心にある飲み屋街、通称トライアングルと呼ばれる地域をうろうろ。こちらはフードミュージアム。後ろにあるのは塩鱈に水を点滴して、塩抜きをしているというアート作品。展示が終わる6ヶ月後には鱈のしっぽに塩のツララができる予定なんだとか、興味深い。

さてここからはダブルデート。アテネ中心にある飲み屋街、通称トライアングルと呼ばれる地域をうろうろします。こちらはフードミュージアム。後ろにあるのは塩鱈に水を点滴して、塩抜きをしているというアート作品。展示が終わる6ヶ月後には鱈のしっぽに塩のツララができる予定なんだとか、興味深い。

駅前に必ず売っているギリシャ人朝の定番のごまパン。トルコのよりずっと大きい!実はトライアングルにそのごまパンの生産元があり、焼きたてを食べることができます。さくっさくで、熱々、美味しい!!

駅前に必ず売っているギリシャ人朝の定番、ごまパン。トルコのよりずっと大きい!実はトライアングルにそのごまパンの生産元があり、焼きたてを食べることができます。さくっさくで、熱々、美味しい!!

ウゾ。

小さな飲み屋さんへ。私達は初めてウゾにトライ。

グラスの1/3くらいウゾを注ぎ、それと同じ量の水を入れるとあら不思議、みるみる白くなります。氷を入れて頂きます。

グラスの1/3くらいウゾを注ぎ、それと同じ量の水を入れるとあら不思議、みるみる白くなります。氷を入れて頂きます。

こちらは

こちらは魚の卵とマッシュポテト、ニンニク、オリーブオイルを合わせたタラモサラダ。魚の卵の塩味がポテトとよくあって、酒が進みます。

こちらはマカロニをバターとチーズで合えた超シンプルパスタ。これまたバターそのものが美味しいからか、美味いのです。シンプルだけど奥深いギリシャ料理。

こちらはマカロニをバターとチーズで合えた超シンプルパスタ。これまた、美味。シンプルだけど奥深いギリシャ料理。

デイミトリウス、ドラ、楽しい夜をありがとう!!

デイミトリウス、ドラ、楽しい夜をありがとう!!明日はアテネを去ります。

 

 

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