1日目 メテオラとレジンワイン

『朝早く起きて、メテオラの奇岩の合間から昇る朝日を拝みたいね!』なんて言ってみたものの、すっかりグリークライフスタイルが板について、テントを照りつける日差しの暑さと明るさでようやく目を覚ました世界一周婦人と俺。『春眠暁を覚えずって言うけど、あれはどこの国でも一緒だね!』と婦人は言う。まぁ半分は正解かもしれないけれど、残りの半分はただの己の怠惰のせいだろう。

日本とギリシャの気候は比較的似ている。この季節、野も山も花が咲き乱れている。ギリシャで春の訪れを象徴するアーモンドの花、枝に濃いピンクの花がびっしりついた桃みたいなやつ、ナズナみたいなのもあるし、菜の花、タンポポ、サクラソウみたいなのも咲いている。
『メテオラ』とは、ギリシャ語で『空中につり下げられた』という意味らしく、英語の『隕石』の語源でもあるという。まるで巨大な尖塔のような形をした岩を見ただけでも大自然のパワーに驚愕してしまうのに、動力のついた重機もない時代に修道院を建て、そこで生活していた人がいるというのだから、感嘆せざるを得ない。しかも、今でこそ観光客を迎えるためのスロープが作られているけれど、かつてはそんなものなく崖を直登しないとたどり着けなかったというし、そんな中空修道院が多い時では20を超えていたという話だし、今も6つが現役で活躍しているという。
こういうところで修行するのは、どういう心境なんだろうか?欲にまみれた世俗から離れたい、煩悩から解き放たれたい、という気持ちからだろうか?
しかし、『俗世間から遠ざかりたい、という欲求』は神様も許して下さるのだろうか?『解き放たれたいと願う執着心こそ煩悩』ではないんだろうか。
昔、京都の有名なお寺で、『吾唯足知』をモチーフにした文鎮だとかお菓子だとかお土産がズラリと並んでいて、『売り込みっぷりが止まることを知らない!』と興醒めしたことがある。生来アマノジャクなもので、ここメテオラに対して『こんな、どこよりも目立つところに建てちゃって!隠遁修行生活なんて、ホントにする気あるの?!』なんて思わなくもない。しかしこの場所が神聖な雰囲気に満ちていることは間違いないし、現代修道士世界では『喧騒の最中で平穏を貫くことこそ真の修行』みたいなトレンドがあるのかも。まぁ、自分はキリスト教徒ではないので、根本的に彼らが目指す先を分かっていないのだけれど。
急ぎ足ならば、バスを使って見どころをまわり、1日でメテオラ観光を終わらすこともできる。しかし婦人と俺はディミトリスに教えてもらったハイキングコースを巡りながらゆっくり過ごしたかったので、今日は修道院群の北部のみの見学に止めて帰る。
夕食時、『レジンワイン』を飲む。これもディミトリスに教えてもらったもので、熟成樽の漏れ防止に使った松ヤニの風味がワインに染み込み、ヨーロッパ全体を見れば『質の悪いワイン』として敬遠されているらしい。しかしここギリシャでは好んで飲まれているようで、小さなスーパーやバス停脇にある売店でも手に入る。
粗悪品扱いだからか、500ミリで200円程度と安価なのも嬉しい。日本人である我々にとっては、高級ワインでなくても十分に美味いと思えるし、松ヤニの風味がついているとなれば、なお面白い。
ギリシャではどこででも売っているけれど、日本ではむしろ、高級ワインより流通量が少なく、なかなか手に入らないシロモノかも。安くて美味い庶民の味方を思う存分堪能した婦人と俺であった。
まだ肌寒いメテオラの4月。それでも色とりどりの花が春の訪れを感じさせてくれます。

まだ肌寒いメテオラの4月。それでも色とりどりの花が春の訪れを感じさせてくれます。

ここメテオラはロッククライミングの聖地。この日だけでもロッククライミングをしている人を4組見つけました。

ここメテオラはロッククライミングの聖地。この日だけでもロッククライミングをしている人を4組見つけました。

春の陽気に亀もお目見え。

春の陽気に亀もお目見え。

メテオラのハイキングは緩やかな登り下りで楽チンですが、ハイキング道の周りの起伏が激しいので、10分ごとに異なる絶景が現れます。メテオラ行くならバスよりも是非ハイキングをお勧めします。

メテオラのハイキングは緩やかな登り下りで楽チンですが、ハイキング道の周りの起伏が激しいので、10分ごとに異なる絶景が現れます。メテオラ行くならバスよりも是非ハイキングをお勧めします。

花畑の中でのんびり。

花畑の中でのんびり。

ハイキング途中見えてきたのはグランメテオラ。平日にも関わらず凄い人出です。主なお客さんはギリシャはアテネからの人たちでした。

ハイキング途中見えてきたのはグランメテオラ。平日にも関わらず凄い人出です。

昔は人をこの網で上げていたとか。使用される紐は頻繁には取り替えられなかったので転落事故もあったそうですが、その場合は、乗っていた人が神に裁かれたと判断されたそうです。恐ろしい。

昔は人をこの網で上げていたとか。使用される紐は頻繁には取り替えられなかったので転落事故もあったそうですが、その場合は、乗っていた人が神に裁かれたと判断されたそうです。恐ろしい。

大メテオラからみる

グランメテオラからみるヴァラーム モナストリー。

2回目のレジンワイン。1本目よりも松ヤニの香りが強め。

2回目のレジンワイン。1本目よりも松ヤニの香りが強めでした。

 

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