1日目 サアナ登山

キルピスヤルビの村まで来たのは、バスの乗り継ぎというだけではない。『キルピスヤルビにはサアナというフィンランドで二番目に高い山があって、めっちゃ綺麗だよ!』という兄やんのおすすめに従い、ノルウェーのロフォーテン諸島までの中継地とした。
ということで、本日はサアナ登山。『二番目に高い』といってもフィンランド。標高はわずか1000メートルとちょっとということだったので、午前中にサクッと登って次こそヒッチハイクで移動しよう、というプランを立てる。

登山開始はおよそ9時。低木かつ密度の低い、フィンランドらしい明るい雑木林を少し歩くと、目の前にある長大な階段が現れる。整備が行き届いてなかなか登りやすいと感心しながら進めば、どんどん風が強くなってくる。

階段地帯が終わると、そこはもう森林限界で這松すら生えていない。雪も残っている。風の冷たさが並ではない。本当にこれ、夏の1000メートル?と疑ってしまうほどの環境。さすがは北極圏。身軽な格好で登ったことをちょっと後悔。冬用の靴下と手袋で来れば良かった。

サアナ山頂到着は12時ごろ。空は曇りがちだけれど、隙間から見える空は最高に青い。眼下には濃紺の湖と、雪の白でまだら模様になった茶色い大地。それがはるか彼方まで続いている。これはこれでユニークで美しいのだけれど、もうひと月もすると、見渡す限りの新緑に変わるんだろうか?フィンランドはやはりもう一度来なければならないなと思う。いや、秋も冬も楽しそうだから、一年通して楽しみたい。
サアナから下山した後は、アイティからもらったトナカイ肉の残りで鹿雑炊。米を食ったのはとても久しぶりで、美味かった。
ロフォーテン諸島までの次なる中継地は、ノルウェーのトロムソ。世界最北端の都会、ということになるのだろうか?オーロラやホェールウォッチング観光で有名な街。

オーロラやホェールウォッチングの時期ではないにも関わらず我々がトロムソを目指すのは、ギリシャで出会ったポーランド人のアニアに再会するため。ノルウェーのトロムソで働く彼女の誕生日が6月20日で、たまたまその辺りの日程でその辺りの行程を移動している我々を、誕生日パーティに誘ってくれた、という訳。
ちなみに、今回の区間はヒッチハイクでトロムソを目指そう!と思っていたのだけれど、ロフォーテン諸島でのトレッキング情報をインターネットでかき集めていたら、時間が足りなくなって、結局バス移動になってしまった。言い訳。
トロムソ到着は夜20時。といっても、もちろん白夜。しかもロバニエミやキルピスヤルビよりも北だから、さらに明るい気がする。日本人の感覚では、17時くらいに思えてしまう。

アニアは22時までホテルで仕事とのことだったので、とりあえずスーパーマーケットに立ち寄ってみる。…高い!人を馬鹿にしてるのかってくらい、物価が高い。フィンランドよりもさらに高い。トマトやタマネギなどの野菜類は日本の倍、お菓子やサンドイッチ、お酒などになると、余裕で3倍とか5倍くらいの値段。こんなところで生きていけるだろうか?というレベルで、開いた口がふさがらない。

どえらい国に来てしまったと頭を抱えつつ、とりあえずバーガーキングで一番安いコーヒーを頼み、Wi-Fiをつないでアニアからの連絡を待つ。すると、『よかったらうちのホテルでまかない食べる?もちろん無料で、ディナービュッフェよ。』とのメッセージ。行きます!ともちろん即答し、飲みかけのコーヒーをかなぐり捨てて、アニアの働くホテルへと向かう。

アニアの働くホテルは、どうやらノルウェーでは有名なグループらしく、巨大なバックパックを担ぎ汚らしい格好で入るのは少しためらわれた。それに、アニアとの合流が22時になることは事前に分かっていたので、昼食を遅め多めに取ったから、さほど空腹ではなかった。

しかし、人様のご厚意は存分に甘えるのが旅人の流儀。他の宿泊客からの視線を跳ね返しつつ、ホテルに入り、アニアに再会!といってもアニアはまだ仕事中なので、再会の挨拶もそこそこに、レストランへと連れてってもらい、ビュッフェをご馳走になる。今後、長らく口にすることはないであろう肉や野菜をもりもり食べる。
アニアの仕事が終わると、彼女の車で、彼女の住むフラットへと連れてってもらう。

フラットに到着すると、アニアの同居人であるルーカスとラファエルがリビングで一杯やっていた。

『日本から来たの?すげー!世界を旅してんの?すげー!9カ月?すげー!』と大はしゃぎしてくれるルーカス。無口ながら、それを微笑みつつ見守りパソコンでBGMを選んでいるラファエル。彼らもまたポーランド人らしい。実はスウェーデン、ポーランドからの移民労働者がたくさんいるらしく、彼らのように共同で一軒家を借りて生活しているらしい。

『オレはイギリスの鉄道会社で働く予定なんだ。日本の鉄道は何キロ出るんだ?』

『オレは測量技師なんだ。2人は地図を持って旅してるのか?今はハードディスクとかクラウドとか色んなデバイスがあるけど、記録を保存するのに一番良いのは紙なんだぜ!』

とか、熱っぽく語ってくれた。突然押しかけての居候なのに、歓迎してくれて心温まる。

いつまでたっても外は明るいのでついつい話が弾み、皆さん明日も仕事というのに深夜1時まで話続けてしまった。

登山開始直後に現れる長い木の階段。

登山開始直後に現れる長い木の階段。

頂上付近にはまだ雪が残り、風も冷たいです。

頂上付近にはまだ雪が残り、風も冷たいです。ダウンジャケットを着込み、顔はマスクで覆って、手はポッケの中へ。それでも寒い。

大きな足跡、何の動物かしら。

大きな足跡、何の動物かしら。

頂上に到着!温度はというと、0度!!寒い訳です。

頂上に到着!温度はというと、0度!!寒い訳です。

眼下には大きな湖。更に奥にはノルウェー国境付近にあるフィンランドの最高峰や、ノルウェーの山々が見えます。

眼下には大きな湖。更に奥にはノルウェー国境付近にあるフィンランドの最高峰や、ノルウェーの山々が見えます。

下山後に食べた鹿肉雑炊。肉の旨味が米に染み込んでいて美味しく、暖まりました。

下山後に食べた鹿肉雑炊。肉の旨味が米に染み込んでいて美味しく、暖まりました。

バスに乗り、トロムソへ到着。飲み会後で広志郎の顔は真っ赤!この明るさですが、なんともう夜中の1時。

バスに乗り、トロムソへ到着。飲み会後で広志郎の顔は真っ赤!外はこの明るさですが、なんともう夜中の1時。

Advertisements

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s