1日目 新たな旅のomoideを in my head

痒い。全身がとてつもなく痒い。
この痒み、この腫れ、蚊ではない。南京虫とも違う。もしかして、ブヨじゃないか?

実はこれ、トドラ渓谷のノリコさんの宿の時から続いている。滞在中はノミとかダニとかそんな類だと思っていたのだけれど、全く症状が引かないどころか日に日に数が増える。服を着てるところは咬まれてないし。

そういえばトドラには、きれいで豊富な水とか家畜といったブヨ発生条件が揃っている。連中、殺虫剤とか効くのだろうか?たぶん虫除けを肌に塗っても効かないはず。7月にトドラへ行くならば、薄手の長袖長ズボンを着るとか、対策を練ったほうが良い。
で、本日は移動日。モロッコのクサルの代表アイトベンハッドゥを出て、海沿いの町エッサウィラを目指す。

8時半、宿の前で乗り合いタクシーを拾い、幹線道路まで出る。宿のにーちゃん曰く『9時半くらいにマラケシュ行きのバスが通るはずだから、それに乗せてもらうといい。』とのこと。で、マラケシュからバスを乗り換えてエッサウィラに行く、というプラン。

ちなみに今回の移動は、事前にバスチケットを手配できなかった。よって、時間通りにバスが来ても、満席ならば乗せてはくれない。しかも何の因果か、どうやらここはヒッチハイクのポイントらしく、色んな人が親指を立ててはトラックを止めて、走り去っていく。来ても乗れるかわからないバスを待つだけなら、いっちょ俺らもやってみるか!ということで、急遽ヒッチハイク開始。

一台、二台と走り去っていく車。見るからに言葉の壁があるアジア人を2人も乗せてくれる物好きなんて、そうそういないんだろうか。しかし、フロントガラス越しに見えるドライバーの顔は、『お、がんばれよー!』とか『ここの住人だから遠くまでは載せられないや、悪いね!』みたいな感じ。つまり、感触は悪くない。
暑さにめげることなく路傍に立つこと約30分、なんとトレーラーが手招きしながら止まってくれた!

トレーラーに走り寄ってドアを開け、『トゥーピーポー、マラケシュ、オーケー?』と聞くと、やはり『乗れよ』の手招き。やった!大急ぎで荷物を担ぎ入れて、いざ出発。

モロッコ人は、フランス語を喋れる人は多いけど、英語を喋れる人は少ない。学校で多少の勉強はするのかも知れないけれど、日本人と同じで、なかなか使う機会がないから照れくさくって喋らないのかも知れない。我々を乗せてくれたこのにーちゃんも、なんとなくそんな感じ。『マイネーム、シモ。センキュー!』『モロッコ、ビューティフル!』と、とりあえず簡単な単語を並べてみると、なんとなく伝わってる感触。

海外で初めてのヒッチハイク。しかもアフリカ、モロッコ。にーちゃんは人一倍照れ屋なのか、ほとんど話しかけてはこないけれど、マラケシュまでの数時間、互いに思い出深い時を過ごせたらいいなと思っていた。
ところがどっこい。

ヒッチハイク開始から数分で、警察が検問してる。

何だろうか?

警察に車を止められる。

車を降りて、免許やらなんやら持って、警察に連れられどこかへいくにーちゃん。

まさか、俺らを乗せたせいで、罰則?

しばらくして帰ってきたにーちゃん。

『トゥー。』『ビレッジ。』

我々が聞き取れた単語はその二つだけだった。しかし、どうやら俺ら2人を乗せてはいけなかったこと、どこか次の村で降りねばならないことは、その浮かない表情を見て察することが出来た。
重苦しい空気でトレーラーは走り、アゴイム(?)という村でストップ。

『ソーリー。』にーちゃんは静かに言った。いやいや、こちらがソーリーだよ!もしかして、罰金とか減点にまで及んだのだろうか?でも、聞きたくても聞けない。

『ソーリー、サンキュー、メルシー(フランス語でありがとう)、シュクラン(アラビア語でありがとう)、サフィ(ベルベル語でありがとう)!』と、知りうる限りの感謝の言葉を並べて、にーちゃんとはお別れ。かくして我々の初ヒッチハイクは、なんだかモヤモヤした切ない感じで終わってしまった。
『でも…やって良かったね!』世界一周婦人が言った。確かに、この旅で幾度となく尻込みしていたヒッチハイクに、ようやく一歩踏み出すことが出来た。こんな結末になってしまったけど、とても新鮮で、刺激的だった。

むしろ、このままでは終われない。このヒッチハイクが最初で最後にしたくない。勝手なことだけれど、『あいつら、乗せて良かったな!』とドライバーに思ってもらえるヒッチハイカーになった方が、迷惑かけてしまったにーちゃんの恩に報いることになるんじゃないだろうか。またチャレンジしよう!そんな気持ちになった。
アゴイムの町で引き続きヒッチハイクしようと歩いていると、タイミングよくマラケシュ行きのバスが通りかかった。しかもなんと空席もある様子。今日はエッサウィラの宿を予約してしまっているので、なんとしても到着が最優先。ヒッチハイクリベンジはまたの機会として、今回はバスに飛び乗る。

モロッコには、大きく分けて2種類のバスがある。一つは高級バスタイプ(といっても価格差はそんなにない)。エアコン完備で座席もゆったり。しかし人気が高くて事前に予約しなければ乗れないし、席が空いてても予約がなくては基本的に途中下車や乗車はなし。

そしてもう一つは、エアコンなし、揺れるし暑いしゲロまみれで臭いけど、席が空いてればどこでも止まってくれる、利便性の高い民営バス。

これまで我々は基本的に、前もって予定を立てて、バスを予約をし、快適な旅を楽しんできたので、民営バスは今回が初めて。モロッコに入って以来、『モロッコは発展してるな、黒人さんも少ないし、アフリカじゃないみたい!』なんて思っていたけれど、民営バスはアフリカっぽさ120パーセント。暑さはタンザニア並みだし、山道ぐねぐねゲロゲロ度はエチオピア並み。嘘ついてボッタクたりしてこないところとか、お世辞にもカッコいいとは言えないアフリカンポップスや高校生の文化祭レベルのご当地映画が流れてこないところは、精神的なダメージが少なくて救われる。
そんなこんなで無事にマラケシュ到着。マラケシュも有名な観光地だけれど、モロッコ出国の飛行機がマラケシュ発なのでその時にじっくり回るとし、今回はとりあえず素通り。バスを乗り換え、一路エッサウィラへ。
『寒!』
びっくりした。なんとエッサウィラは寒かった。半袖半パンでも脱ぎ足りないくらいだったこれまでのモロッコが、まるで蜃気楼か何かのように寒い。

『エッサウィラはね、海流の関係でモロッコなのに涼しいんですよ。』

と、バスターミナルまで迎えに来てくれた、今回お世話になる宿の女将さんのミチヨさん。曰く、年中こんな感じなので、 冬は砂漠よりも暖かくて過ごしやすいらしい。

宿に到着して、説明を受けつつ旅人たちがくつろぐサロンに通してもらうと、そこには見たことある顔が。

『ん?!リョーペイさんですよね!!』

ピンときた俺がすかさず尋ねる。

『え?あ、はい。』

『やっぱり!!ブログの大ファンっす!!』

なんと我々、この旅始まって以来ずっと参考にさせてもらってるブログの著者、リョーペイくんに、モロッコはエッサウィラでついに巡り会うことが出来た!

『へー、りょうへいくんブログやってたの?』と、同宿する『女忍者』ことサヤカさんや、婚約して世界一周中のマコトくんナオカさんカップル。実はこちらの3人、世界一周してる旅人の間ではちょっとした有名人(だと後で知った)。

『まじっすか?僕のブログ読者、1日に10件とかそんなもんすよ!』

『え、そんなもん?じゃあそのうちの2人が僕ら夫婦ですわ。』

リョーペイくんのブログの素晴らしさとか、リョーペイくんの旅のエピソードとかべらべらとしつこく語る婦人と俺。照れ臭そうなリョーペイくん。

リョーペイくんのブログの良さは、まず写真が綺麗なのが良い。ガイドブックを見ても伝わらないその場所の良さが、シンプルに伝わってくる。それに、誰もが撮るような王道撮影スポットだけでなく、誰もが通り過ぎてしまうような街角、落書きの写真も素敵。夫婦と俺は、キューバの旅において、もはやリョーペイくんの足跡巡りをしていたと言っても過言ではない。移動や宿の情報も、ちょろっと載っているのもまた良い。この『ちょろっと』なのがポイント。ブログの世界観を損ねないよう必要最低限、しかしあると俄然助かる情報がきっちりまとまってる、という感じ。要するに、自分のブログ(全く何もまとめていない、人が欲しがる情報は積極的に載せない)とは正反対、ということです。
旅の途中で、お世話になったブログ著者に会う。現代日本人世界一周バックパッカーっぽいことができて、また新たな旅のomoideがin my headできた、婦人と俺なのであった。

人生初のヒッチハイク。距離は短かったものの、私達にとっては大きな一歩でした。

人生初のヒッチハイク。距離は短かったものの、私達にとっては大きな一歩でした。それにしても、トラックの大きなフロントガラスから見るアトラス山脈は綺麗でした。

エッサウィラにはマラケシュを経由して夜に到着。エッサウィラといえば、モロッコの中でもお酒を手に入れやすいということで有名。私達も今夜は久々にビール。

エッサウィラにはマラケシュを経由して夜に到着。エッサウィラといえば、モロッコの中でもお酒を手に入れやすいということで有名。私達も今夜は久々にビール。

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