2日目 怒涛のトルクメニスタン、後編

ついに!念願のガスクレーター、通称『地獄の門』に到着した世界一周婦人と俺。

昨日、マシュハドでビザを受け取ってからここまで、バスやらヒッチやら駆使して足掛け18時間の大移動となった。途中、ビスケットを数枚食べただけ。睡眠も、ヒッチハイクした車の中で小一時間ウトウトしただけ。それでも不思議と腹も減ってないし眠くもないのは、緊張の連続だったことと、大変な移動をやりとげた達成感と、目の前に異様な風景が広がっているからだろう。脳からアドレナリンが出ているのを肌で感じる。

直径は80メートルという情報。巨大な穴の中で渦巻く炎。『地獄の門』と呼ぶにふさわしい様相。落ちたら間違いなく死にそう(脚韻)。

ただ、惜しむべくは16夜だということ。月明かりのおかげでヘッドライトもなくここまでたどり着いたのは良かったけれど、今度は明るすぎてクレーターの炎の光が映えない。まぁこればっかりは仕方ない。

ひとしきり撮影など楽しんで、クレーター横で就寝。ガスが燃えてるわけだから、いい具合に暖かくて心地よい。匂いからしてちょうど、日本で使っていたガスファンヒーターのようで、何だか懐かしくすらある。
目が覚めた時はすでに7時。あたりにツアーで訪れた欧米人がうろうろしててびっくり。きっと彼らも土の上に寝転がっている私達を見てびっくりしたことだろう。

ほんじゃ行くか、と来た道(といっても道などはなく、砂漠をひたすら西に向かって進むだけ)を引き返し、線路脇に置いてきた荷物を回収して、元いた幹線道まで出る。

地獄の門さえ見れればあとはもうこの国に用はない。トルクメニスタンは宿泊費が高いから、できれば今日中に次なる国ウズベキスタンへと抜けてしまいたい。

では気合い入れてヒッチハイクしますか!おや?そこに2台のトレーラーが止まっているではありませんか?どちらに行くんですか?ダショグス方面ですか!乗せてはくれませんか?ありがとうございます!と、トントン拍子でヒッチハイク成功。

トレーラーのドライバーの名は、セルゲイとギリシア。純粋なトルクメニスタン人は目鼻立ちは我々日本人に近いけど、肌の色は浅黒いんだけど、2人はヨーロッパ顏。聞けばロシア系のトルクメニスタン人だそうな。また、2人は多少の英語も話せる。幸運にも良い車が捕まった、という訳。

婦人はセルゲイのトレーラー、俺はギリシアのトレーラーと、別れて乗り込み、いざ出発。
こうやって移動手段が確保できたことももちろん幸運だったんだけど、何より幸運だったのは、英語が話せるトルクメニスタン人に出会えたこと。トルクメニスタンは天然資源が豊富な国なので経済的にも安定しており、周辺国からの移民が多い(セルゲイはロシアとトルクメのパスポートを、ギリシアはアルメニアとトルクメのパスポートを持っているそうだ)と、でも警察とかいった職業に就けるのはトルクメニスタン人だけだということ、イスラム教徒が多いけど酒や豚肉も口にできる(特にギリシアの趣味はハンティングで、豚?猪?を獲って食べるらしい)ことなど、色々と教えてもらえた。ビザ発給の関係で超高速を余儀なくされてはしまったものの、彼らとの出会いのおかげで満足な旅となった。

彼らもまた、我々との出会いを喜んでくれていたみたい。道中、昼食を食べるためにチャイハネ(日本でいう喫茶店)に立ち寄り、旅の写真を披露したら、ギリシアは日本の写真以上にアルメニアの写真に興味津々。

『アルメニアは良かったか?』

『良かったよ、2日しか居なかったけどね。』

『アルメニア人は親切だったか?』

『うん、みんなフレンドリーで優しかったよ。』

『そうか。』

俺の言葉を聞いたギリシアは、安心感と満足感と、何より誇らしさを含んだ表情を浮かべていた。
ただ、一つだけ誤算だったのが、彼らのトレーラーが瓶詰めのセブンアップを積んだトレーラーだった、ということ。運転、めっちゃめちゃ慎重。ダルヴァザからダショグスまで情報では6時間程度のところ、我々は9時間くらいかかってしまった。

『ほんとうにありがとう、じゃあね!』

ダショグスの街はずれで降ろしてもらったのは、すでに17時。さてどうしよう、この街で一泊する?それとも、もう閉鎖してるかもしれないけど、とりあえず国境まで行ってみる?この街で泊まるあてはないし、どうせロクでもない宿でめちゃくちゃ高額なんだろうから、一か八か国境に駆け込んでみてダメならそこで野宿するか!と腹をくくり、タクシーを捕まえる。
17時半、国境到着。

『…クローズ?』

『カモン、ハリアップ!』

い、行ける!この国境、突破できるぞ!

後は、担当職員の機嫌を損ねまいと微笑み爆弾を撒き散らしつつ、スムースクリミナルを完遂するだけ(?)。
そして、ウズベキスタン入国!

一泊二日、トルクメニスタンの旅、やり遂げたぞー(バックパッカー的には快挙な気がするので、テンション高い)!
国境からヒヴァの街までタクシー。

アリベックという宿に入り、城壁北西角あたりにあるレストランで食事。

宿もレストランも、なかなか満足。特にレストランではラグマンという麺を食す。旨し。ちょっと油っこくてトマト風味なんだけど、スパゲッティやパスタとは全く違いアジア的、カレーラーメンといった味わい。あともう一品、水餃子的なものが入ったスープ。こちらもまたスープはアジアっぽいんだけど、水餃子はラビオリにも似てる。アジアなんだけど、ヨーロッパのエッセンスも残っている感じが実に面白い。そういや今日の昼、トルクメニスタンのチャイハネで食べた昼メシのマンティ(蒸し餃子?)とフィチィ(肉詰めパイ)も、『脱イラン』って感じ美味かったなぁ。
夕食後は、ヒヴァの街を少しだけ散策。なんだか落ち着いた雰囲気の小さな街で、居心地が良さそう。『ウズベキスタンもきっとモスクとかイスラム建築が観光のメインだから、イランと似たようなものかな?』なんて思ってたんだけど、どうやら一味違うみたい。明日、本格的に街歩きするのが楽しみ。

重いバックパックを背負い、明るい方向へ砂漠を歩くこと一時間半。真っ暗闇にぽっかりと開いた光の穴。

重いバックパックを背負い、明るい方向へ砂漠を歩くこと一時間半。真っ暗闇にぽっかりと開いた光の穴。おぉ、あれが地獄の門か。

夜の砂漠、風が強く少し寒いです。でもガスクレーターを通り抜けてきた風は時折顔を背けたくなるほどの熱風。

夜の砂漠、風が強く少し寒いです。でもガスクレーターを通り抜けてきた風は時折顔を背けたくなるほどの熱風。

クレーターの淵に立っているのが私。この穴深いです。淵の角度からして落ちたらはい上がれません。はい上がる前に焼け死ぬでしょう。

クレーターの淵に立っているのが私。そう、この穴深いんです。淵の角度からして落ちたらはい上がれません。はい上がる前に焼け死ぬでしょう。

懐かしいガスファンヒーターのような匂いに包まれて、ほっこり。ふたりで地べたに寝転んで寝ました。

懐かしいガスファンヒーターのような匂いに包まれて、ほっこり。ふたりで地べたに寝転んで寝ました。

朝日が昇ります。

朝日が昇ります。

砂漠の花。

砂漠の花。

淡いピンク色。

淡いピンク色。

何の標識もない砂漠。太陽の位置を頼りに元いた所へ帰ります。

何の標識もない砂漠。バックパックを砂漠の真ん中に置いてきたので、太陽の位置を頼りに元いた所へ帰ります。(結果、随分北の方向へズレていました)

トルクメニスタンには砂漠を走る鉄道があります。夜中この場所に着いたとき、丁度列車が走っていました。車窓から漏れる四角い明かりが列になって、真っ暗な闇の中に浮かんでいるように見えました。

トルクメニスタンには砂漠を走る鉄道があります。夜中この場所に着いたとき、丁度列車が走っていました。車窓から漏れる四角い明かりが列になって、真っ暗な闇の中に浮かんでいるように見えました。

さらりとヒッチハイクを成功させ、トラックの助手席へ。道路には野生のラクダがうろうろ。

さらりとヒッチハイクを成功させ、各自別々のトラックの助手席へ。トルクメニスタンの砂漠は電話が通じないので、トラックはトラブルを避けるために2台で行動するそう。道路には野生のラクダがうろうろ。

道路脇にあるこのワラでできた四角い枠は、砂が舞い上がらないようになんだとか。

道路脇にあるこのワラでできた四角い枠は、砂が舞い上がらないようになんだとか。

中央アジア入って初めてのお昼ご飯。これはマンティと呼ばれる肉まん。かぶりついて驚き、懐かしの551の蓬莱の味です。こちらの人はこれにスパイシーなケチャップをつけて食べます。

中央アジア入って初めてのお昼ご飯は彼らオススメのチャイハネで。これはマンティと呼ばれる肉まん。かぶりついて驚き、懐かしの551の蓬莱の味です。こちらの人はこれにスパイシーなケチャップをつけて食べます。中央アジアで食べたマンティで、これが一番美味しかったです。

これはミートパイ。パイ部分に肉汁が染み込んで、とても美味しいです。

これはミートパイ。パイ部分に肉汁が染み込んで、とても美味しいです。

ギリシア、ありがとう!

無事に国境の町、ダショグス到着です。セルゲイ、ギリシア、ありがとう。

トルクメニスタンとウズベキスタンの国境を越え、ヒヴァに到着したのは夜。イランとは異なるイスラム世界の建築にワクワクします。

トルクメニスタンとウズベキスタンの国境を越え、ヒヴァに到着したのは夜。

ウズベキスタン料理といえばラグマン。ラグマンはうどんに似た麺料理で、地方によってスープの味が異なります。ヒヴァで食べたラグマンは、カレーに似た味。そう、カレーうどんにそっくりです。

ウズベキスタン料理といえばラグマン。ラグマンはうどんに似た麺料理で、地方によってスープの味が異なります。ヒヴァで食べたラグマンは、カレーに似た味。そう、カレーうどんにそっくりです。

極めつけは、一ヶ月ぶりのビール!アジアに入ったことを感じさせる食べ物、そしてビールに満足して眠りについたのでした。

極めつけは、一ヶ月ぶりのビール!アジアに入ったことを感じさせる食べ物、そして久々のビールに満足して眠りについたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

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