2日目 アラコル、そして温泉

さて本日がアラコル湖へのアタック。朝5時に目覚ましをかけていたんだけど、あんまり外が暗いから二度寝し、6時になってようやく寝袋から跳ね起き朝食、出発。

草原に小川。急坂やつづら折れはほとんどなく、ゆっくり、まっすぐ、高度を上げていく。『トレッキング』という言葉をそのまま絵にしたような風景とルート。人気も頷ける。

一つ、また一つと丘を越えるごとに、氷と岩の割合が増えてくる。そして、目の前に立ちはだかる最後の急坂。
『これ、登るの?』

互いに顔を見合わせる世界一周婦人と俺。何となく人が歩いたであろう、雪の窪みは見て分かる。しかし、どう見ても昨日今日の踏み跡ではない。昨日の夜、新たに積もったのか?そうも思えないけれど、何にせよトレッキングのレベルには見えない、アイゼンとクランポンが欲しくなるレベルの急斜面。

でもまぁしゃーない。ここまで来て引き返す訳にも行かない。ムリならその時点で下りればいい、ということでその斜面に取り付くと、案外いけるもの。積雪量は30センチから60センチといったところか?足がいい感じに埋まってくれるし、両手をピッケル代わりに雪につき刺せば、滑落ということはないだろう。標高おそらく3500から3800メートル。富士山より高いけれど、ダマバンド5600メートルに登ったのがつい先月だから高度による息苦しさもない。
ゆっくりゆっくり、2人で先頭を交代しながらラッセルして進み、ついに稜線の縁にたどり着く。

そして望むアラコル湖の、青いこと!氷河とか万年雪が溶けたばかりの水は、どういう訳かいつもエメラルドグリーン。そして、そのアラコル湖を取り囲む天山山脈の峰々の厳しいこと!夏場は、生い茂る草木の緑が、空の青と、湖のエメラルドグリーンとともにグラデーションとなって美しいんだろう。しかし、この雪と岩の、白と灰色の無機質な感じもまた、湖に対するコントラストとなって悪くない。雲が厚く青空が望めなかったのは残念。

風も強く、めちゃくちゃ寒かったので、15分くらいで下山開始。登りも大概ハラハラする急斜面だったけど、下りはなおさら怖い。いつものように尻滑りして一気に下りたいところだけど、そこまでの積雪量はなく所々岩が顔を覗かせてるので、そういう訳にも行かない。登り以上に慎重に、ゆっくり一歩ずつ下っていく。
すると、急坂の中腹で後続グループに追いつかれる。人のラッセル跡を進むのは、迷うこともないし、何よりも楽ちん。あんたら、ちょっと我々に礼の一つも言ったらどうか?てな気分になる。まぁ、結構しんどかったし、不安いっぱいだったからね、登ってるとき。でもまた別の機会に、我々も誰かのラッセル泥棒してきたんだろう。その分ここで還元した、ということ。

急坂を下りきって、なだらかな丘陵地帯を進み、元いたテントサイトまで戻る。16時。つまり往復9時間くらい。そこからテントをたたんで荷物を片付け、アルティンアラシャンまで戻る。プラス1時間弱の歩行。
今日は朝から大したものを食べてなかったので、アルティンアラシャンにたどり着いた頃にはもう完全にガス欠状態。しかし何とか雨が降る前に到着できて良かった。

アルティンアラシャンにいくつかある温泉小屋の中で、自分たちはアラシャントラベルというところに入ったんだけど、これがもう最高だった。たまたまヒマだった、てなこともあるんだろう。山小屋とは思えない、普段泊まってる安宿よりも良いくらい部屋で、しかもプライベートルーム。にもかかわらず値段は安い。

で、何より楽しみにしていた、温泉タイム!これがまたラッキーかつパーフェクト。浴槽のお湯は入れ替えたばかり(たぶんヒマだった影響)、そもそも浴室自体も新築?改装したばかりという雰囲気で、カビ臭くもなく、清潔感いっぱい。そんな広々とした温泉を婦人と俺で独占。

もちろんお湯そのものも素晴らしい。無色透明で、ほのかな硫黄臭。温度は41度くらいだろうか、ちょうど日本の温泉と同じくらいの湯加減。手先足先の毛細血管がビリビリとこじ開けられて、血が流れていくのが分かる。昨日はテン泊、今日は雪山登山というコンディションも、快楽に拍車をかける。

日本人的には当たり前なんだけど、真っ裸で温泉に浸かれる、というのもありがたい。外国では温泉のことを『湯沸かしの必要がない温水プール』程度にしか思ってない連中も多いらしく、ガッカリさせられることもあった。しかしここは、そんな哀しい過去の思い出とは全く無縁。

日本でもまかり通る、歴とした温泉を楽しむことができた。いや、これはもしかすると、日本を含めても自分史上最高の温泉だったかも?!少なくとも、そう思えるくらいに満足した婦人と俺なのであった。

なだらかな丘を何度か超えて。もうシーズンは終わりかけ、他の登山客に会わず、人の気配もありません。

なだらかな丘を何度か超えて。もうシーズンは終わりかけ、他の登山客に会わず、人の気配もありません。道も踏み跡が何本かあり、迷いやすいです。

最終的に雪が10~20cm程積もった道を登っていきます。踏み後がなく、『一体どこから登るんかしら』『まさかあの崖じゃあるまい』と言っていた崖に最終的に登ることに。

雪が10~20cm程積もった道を登っていきます。目の前に立ち塞がる雪壁。踏み跡がないので、『一体どこから登るんかしら』『まさかあの崖じゃあるまい』と言っていた雪の壁が、まさかの湖への正しいルートでした。

下から見るとかなりの急角度に見えます。滑り落ちないか恐しくなる二人。焦らずゆっくり、一歩ずつ雪に手足を突き刺しながら進みます。

下から見るとかなりの急角度に見えます。滑り落ちないか恐しくなる二人。焦らずゆっくり一歩ずつ、雪に手足を突き刺しながら進みます。

1時間の雪壁との格闘の後にたどり着いたカラコル湖。いやぁ、私達やりました!

1時間の雪壁との格闘の後にたどり着いたカラコル湖。いやぁ、私達やりました!

このアラコル湖の横には小さいハート形の湖もあります。

このアラコル湖の横には小さいハート形の湖もあります。それにしても、青いです。雲の隙間から太陽が照ると湖がキラキラと揺らめいて、とても綺麗です。

寒いので、15分間居た後に下山しました。

それにしても、山に登った途端に雪山の方から強風が、その寒いこと。ヒーヒー言いながら写真を撮った後にすぐ下山しました。

尻滑り大好きな私ですが、今回は余りに急かつ岩がゴロゴロしているので、四つん這いで恐る恐る下りました。

尻滑り大好きな私ですが、今回は余りに急かつ岩がゴロゴロしているので、四つん這いで恐る恐る下りました。

帰国後のことを話したりしながら下山しました。

帰国後のことを話したりしながら下山しました。

アラシャントラベルの猫さん。私達に寄ってきては一発芸を見せてくれる可愛い奴。

テントを畳んで、温泉宿町に戻ってきました。アラシャントラベルの猫さん。私達に寄ってきては一発芸を見せてくれる可愛い奴。

アラシャントラベルは風呂桶が二つ。右手の桶はタイル張りでお湯は熱め、左手はコンクリート桶でお湯は少しぬるめ。右手の方をオススメします。(夏入ると右手は熱すぎて入れないという人もいました。)

アラシャントラベルは風呂桶が二つ。右手の桶はタイル張りでお湯は熱め、左手はコンクリート桶でお湯は少しぬるめ。右手の方をオススメします。(夏入ると右手は熱すぎて入れないという人もいました。)昼間凍った身体が一瞬で解凍されました。

 

 

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