10日目 ゾンラ、チョラパス、タンナック

今日はトレッキングで一番の難所、チョラパスを超える日。

宿泊してるゾンラからチョラパスを超えてその先の村タンナックまでは、上手くいけば5時間。タンナックからゴーキョまでは2時間。だから、あえてタンナックに泊まる必要はない。しかし何と言っても難所チョラパス。気持ちに余裕を持って行動することご大切。道も不明瞭だというから、無理せず慎重に歩いて、無事に早くタンナックに到着すればゴーキョを目指す、タンナック到着が遅くなればそのままタンナック泊で良し、というスタンスで今日もまた歩き始める。

ゾンラのある谷は、不思議と暖かい。風が弱いのか、それとも日当たりが良いのか。清涼感のある香りがする低木も生えている。

といっても、もちろん川は流れながらにして凍るレベル。こうやってトレッキングするまで、世界にある氷河というのは溶ける一方だと勝手に思っていた。しかしここを流れる川は、見るからに氷河へと成長する可能性を感じる。もちろん数百年数千年の時間を要するだろうけど、地球の自己治癒力を垣間見たというか、温暖化によって取り返しのつかない段階に達してるわけじゃないんだなーと感じて何だかホッとしたというか。

出発から2時間ほど、急登の先に広がるのが、チョラパス。チョラパスとは、5つ6つ南北に連なる尖峰のコルの一つ。渡渉可能な氷河と言えるかも知れない。広大な氷の台地になっている。

このためだけにカトマンズで購入した簡易クランポンを装着して、チョラパスへと踏み入れる世界一周婦人と俺。踏み跡がしっかりしてる部分は実に歩きやすい。しかし一歩間違えてそこを外れると、深みにはまってラッセルを強いられる。思っていたより危険は感じないけれど、そんなこんなで時間をロス。基本的にはトレッキングでガイドの必要性を感じない我々ながら、ここチョラパスだけは、ガイドがいれば良かったなーなんて思った。

5630メートルともなると、さすがに辛い。頭痛とか吐き気といった高度障害はないけれど、空気の薄さでいつもの半分くらいのペースでしか歩けない。挙句、道を間違えたり見失ったりして、時間も体力も消耗する。風が強い。寒い。

しかし、なんとかかんとかチョラパスの最高所に到着。ついに新たな谷を拝む。

ただ、あんまり感動するヒマはない。寒いから。もう風がビュンビュンで、さっさと降りてしまいたい。写真撮影もわずか数枚にとどめ、下山開始。

で、ここからが案外大変なんです、チョラパス。ガレガレの岩場でどこが道だか不明瞭極まりない。しかも上からは石つぶてが降ってきて危険極まりない。石つぶてを避けるように歩いてたら、ケルンを見失ってコースアウト、岩なだれをサーフィンするように滑り降りて、ようやくフラットかつ安全な場所にたどり着いた時は、もう気力体力ともに限界。時計はすでに14時、ゴーキョまではたどり着けないだろう。本日はタンナック泊でやむなし。

まだかー、もうちょい、まだかー、もうちょい、え、まさか道間違えてない?と思って地図を広げる。んなことを繰り返しながら、ようやくタンナック到着。16時くらい。結局8時間くらいかかってしまった。

ちなみにタンナックは、このトレッキングで自分たちが滞在した中では、最も寂れた村だった。宿どころか村全体でも、宿泊してるトレッキング客は自分たちだけ。おかげで滞在費も高くついたし、やっぱり可能ならばゴーキョまで足を伸ばすのがオススメ。

本日目指すチョラパスは今回のトレッキングルートの中で一番の難所です。写真左手の丘の後ろにチョラパスがあるのですが、ここから見ると分かりません。

本日目指すチョラパスは今回のトレッキングルートの中で一番の難所です。朝早く出発。

「まさか、あれ登るんかなぁ」「いやいやまさか」と、先人達がつけた足跡を辿ると、どうやらそのまさかと思っていた峠を超えるようです。

「まさか、あれ登るんかなぁ」「いやいやまさか」といいながら先人達がつけた足跡を辿ると、どうやらそのまさかと思っていた峠を超えるようです。

写真で見ても、実際に見ても分かりにくいルートなのですが、この写真中央にある白い部分、最終的にあそこにたどり着きます。

写真で見ても、実際に見ても分かりにくいルートなのですが、この写真中央にある白い部分、あそこがチョラパスの入口部分です。

チョラパス入口到着!氷河が私達を出迎えてくれました。

チョラパス入口到着。氷河が私達を出迎えてくれました。ベースキャンプ近くで見た氷河は砕かれ尖った氷河でしたが、こちらは砕かれず滑らかで巨大なままその姿を保っています。圧倒的な存在感。

簡易アイゼンを装着。

簡易アイゼンを装着。

ベースキャンプ近くで見た氷河は2~3メートルに砕かれて直線的でしたが、ここの氷河は砕かれるような圧力を何も感じずに緩やかなカーブを描いています。

チョラパスの道はつるつるよく滑るので、アイゼンがあると安心です。

ここでも発見、キノコ。

ここでも発見、キノコ岩。

チョラパスの最も高い峠部分に到着。この峠部分へは両手を使って崖をよじ登るのですが、凍っていてツルツル滑るし、浮き石が多いし、岩は脆くて崩れるし、真下はカキンコキンに凍った池。広志郎がひょいひょい登っていく後ろで、泣きながら登りました。

チョラパスの最も高い峠部分に到着。この峠部分へは両手を使って崖をよじ登るのですが、凍っていてツルツル滑るし、浮き石が多いし、岩は脆くて崩れるし、真下はカキンコキンに凍った池。恐怖。広志郎がひょいひょい登っていく後ろで、私は泣きながら登りました。ルートが不確かな分、ジャンダルムより怖かったです。

峠を超えても、まだ緊張は続きます。足元は砂と小石で滑り、頭上へは落石。

峠を超えても、まだ緊張は続きます。足元は砂と小石で滑り、頭上へは落石。この写真は、そんな落石スポットを通り抜けて、振り返って撮った一枚。

離れてみると、あれを超えてきたとは信じがたい。

離れてみると、あれを超えてきたとは信じがたい。うーん、怖かった。

手前、お腹が縦縞の雷鳥に似た親子の鳥達に癒されて、ようやく緊張が解れました。

タンナック手前、お腹が縦縞の雷鳥に似た親子の鳥達に癒されて、ようやく緊張が解れました。

 

 

 

 

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