1年5カ月の旅で、色んなごはんを食べ、時には自分たち自身で作ったりしました。
人の個性と同じで、美味しい食べ物にランク付けすることはできませんが、世界で食べた料理の中で印象に残っているもの、加えて自分たちで作った料理で特に満足だったもの、それぞれ3つずつ、お気に入りを選んでみました。
<世界で食べた料理>
①ランゴスタ(カリブ海)
『伊勢エビ』といえば、ちょっと大げさですかね?要はロブスターをスペイン語にすると、ランゴスタというわけです。
カリブ海はロブスターの楽園。日本では考えられないくらいの値段で食べることができます。サンブラス諸島(パナマ)で2回、ベリーズ、キューバと、4度に渡って食べました。もう、1時間以上かけて、骨までしゃぶり尽くしてやりましたよ、いかに日本人が伊勢エビを愛しているか、見せつけてやるために。
②ギリシャ料理
ギュロス(ケバブやポテトをピタで巻いたもの)、ブガツァ(クリームや肉、ほうれん草のパイ)、フラッペ(泡立てたコーヒー)。ギリシャはストリートフードも美味いんですが、びっっっくりするほど美味かったは、カウチサーフィンでドミトリウスに作ってもらった家庭料理。何がって、素材そのものがケタ違いの美味さなんですよね。ヨーグルトとか、オリーブオイルとか。で、オレガノをいっぱい使う。調理法はいたってシンプルなんですが、だからこそ素材の良さが引き立つ。日本料理にも通じる『食べ物に対する愛』を感じました。
③スペイン料理
セカスティージという山あいの小さな村で農家体験していた時は生ハムやロンゲニッサ(長いソーセージ)、バルセロナではファンシーなバルで海鮮タパスやパエリヤ。食べに食べに食べまくりました。で、ビール!ワイン!めっちゃ暑い時期だったから、なおさら美味かった!もう、酒池肉林とはこのこと、地上の楽園状態でしたね。また行きたい。
<自分たちで作った料理>
①牛ステーキ(アルゼンチン)
『霜降り』と言えば、日本で美味いとされる牛肉についてくる定冠詞。ですが、そんな価値観を180度転換させられたのが、アルゼンチンの牛肉。
脂身なんて肉の端っこにピロってついてるだけのガチンコ赤身肉なのに、超テンダー!で、ジュワッと口の中に肉汁が溢れるんです。なんで!?ていうか、日本の霜降り肉のジュワッてのは、むしろ『脂がドロッ』てしてるだけ?!牛肉の美味しさに対して間違った解釈してるんじゃ…まー味覚なんて人それぞれ、正解なんてありませんが、それくらい衝撃的でした。しかも安い!胃腸にも財布にも優しく、毎日ステーキ食べてました。
②プエルトモン、チロエ島の魚介(チリ)
ウニとかアワビとか、日本だったらバックパッカーでなくてもなかなか手が出ない食材で、あんな料理やこんな料理を作ってみる。山盛りのウニをどばっとスパゲティに放り込んで、ぶつ切りのアワビでアヒージョ…夢の様な自炊生活でした。特にチロエ島で作った『いちご煮』は、旅だけでなく自分料理史上でも最高傑作。親族友人知人みんなに振舞いたいくらいでした。まぁそんなの不可能なんですけど。自炊するのが楽しかったプエルトモンやチロエ島ですが、クラントと呼ばれるおでんみたいな煮込み料理、アナゴのスープなども美味しかった。一番のオススメは、浜ゆでフジツボ!お試しあれ。
③フォアグラ、鴨肉、マンガリッツァ豚(ハンガリー)
フォアグラのせのステーキに、フォアグラ茶碗蒸し。で、朝からフォアグラオムレツ作って食べる。ブダペストだからこそ、自炊するからこそ味わえる、贅沢極まりないメニューです。でも、やり過ぎ感がかてって羨ましくないですね。やっぱ控えめにちょこんと座ってる雛人形くらいがフォアグラの適量だと思い知りました。
フォアグラが有名ということは、鴨のモモとかムネもたくさん売ってます。肝臓だけ取ったら後はポイ、なんてわけないですよね。そして美味い。なんならフォアグラより美味しかったかも。オススメです。
自分たち的に一番のヒットだったのが、マンガリッツァ豚。ウーリーピッグと呼ばれる、見た目からして面白い国宝指定されてる豚です。なかなか売ってませんが、市場の地下にあるこじんまりとした肉屋で買えます。